 |
迷探偵 怒痔名軟膏
※この、ストーリーはフィクションであり、登場する人物と実在する、団体、施設等とは一切関係ありません。
著作権は、「気軽ni掲示板」「Namazu Land」にあります。
目次
1.どじな探偵物語!
この物語は、ふとした事がきっかけで探偵事務所を開いた男のものがたりである。
ここは、浦安市猫実、東西線浦安駅から歩いて5分ほどのアクセスのよい場所にあるマンションの1室だ。
浦安は昔からの漁師町で、今でも路地に入るとアサリの『むきみ』(アサリの口を開け中の身を取り出す作業)をしている光景に出くわす。なにかほのぼのとされる街だ。
電話のベルが鳴った! 「おう、久々の仕事か」と、かなり太り気味の男が勢いよく電話をとった。
どじな探偵、名前は怒痔名軟膏(ドジナナンコウ)年齢は、33歳、独身、「なんでも企画」(という探偵事務所にはふさわしくない名前だが・・・)を開いて早、1年来る仕事といったら、猫の家出探索、夫婦の喧嘩仲裁!おお!今日は、久々の電話じゃ・・・・と・・・なに電話代金未納のNTTからの催促の電話ではないか・・・・
「おかしいなぁ、口座にお金は余るほど入金されているんだが・・・すいませんこちらも確認しますがそちらでも確認してくれますか?一度電話を切りますね」
やはり、調べたところ使ったわけではなく、1000万円くらいは通帳に残高が残っていた。
「やはり、銀行の間違いじゃないのかな、もう一度電話をしてみよう・・」
怒痔名は、銀行に何度も電話をしたがなかなか繋がらない。あきらめた頃、ふとテレビをみると、ニュースで問題の銀行がテレビででているではないか。
「今日突然、アバウト銀行のオンラインが停止しました。調べによりますと、この銀行は八百長(やおなが)銀行と伊香様(いかさま)銀行の合併により、本日よりアバウト銀行(ABT銀行)として営業を開始しましたが、それぞれの銀行のソフトを使用し、エミュレーションソフトを使用したため、プログラムに障害が発生し、ダウンしたものです。そのため、クレジットの二重引き落としや、残高があるにもかかわらず、残高不足の通知が預金者にあったものです。財務省はこの事件をおもくとらえ、事実確認を早急にするもようです・・・・・」
「なんだ、アバウト銀行のコンピューターが、銀行統合時にソフトのミスで起きたことが原因だったのか」怒痔名は安心したのか気が抜けたのかソファに腰をおろしてしまった。
銀行の役員が記者会見をして、頭を下げている様子が映し出されていた。
「ああよかった、一時はどうなるかと心配したけど、お金はあるんだからな、少し有名になり、副収入もかなり入った。ふところも今は暖かいからな」
登場人物 主人公 怒痔名軟膏 身長164cm 体重117kg
マドンナ 怒痔名が憧れる、超美人の 綺麗田ナナ(キレイダナナ)身長170cm
某FM局に勤める売れっ子DJ
<注釈>
怒痔名軟膏のイメージは、松村邦洋です!
綺麗田ナナのイメージは、米倉涼子です!
|
▲目次へ戻る
2.回想
思えばあれは、1年3ヶ月前のこと怒痔名は、泣く子も黙る、警視庁捜査1課、通称『どぶさん』こと、十部川宗次(ドブカワソウジ)警部の下で、働いていたのだ。
『どぶさん』といえば、警視庁捜査1課の名物刑事であり、過去にも難事件や迷宮入りしそうな事件を解決しており、テレビドラマでも、彼をモデルにした、ドラマも何本か放送されたことがあるほどだ。
もちろん、彼ひとりの活躍ばかりでなく、チームとしての『捜査1課』のメンバーがいたからできたことなのだが・・・・しかも『捜査1課』のメンバーは個性にあふれるスター軍団だったのだ。
怒痔名は、現役ばりばりの刑事だったのだが、個性はメンバーの中でも際立っておりかなり目立つ存在であった。
捜査能力、体力、頭の回転どれをとっても、人一倍優れていたのだが、ただ、人一倍食い意地があり、食べ物に関しては意地汚いところがあり、捜査の面でも大きな失敗をしたことが何度となくあったのだ。
そう、この事件のときもそうであった。
連続金融機関強襲強盗事件、『たぬき爺』と人を食ったような、名前の容疑者が突然現れ、現金を強奪していくのだ。
『たぬき爺』はスパイダーマンのごとく壁を乗り越え、犯行を重ねていったが、依然として逮捕されなかった。
当然、警視庁も手をこまねいていたわけではなかった。
極秘裏に捜査はおこなわれていた。
情報をキャッチした、十部川警部は、現場にメンバーを送った。
怒痔名も変装をして凶悪犯人を、追い詰めたが、この時NHKの,『のど自慢』に出演し、たまたまこのテレビ放送を見ていた犯人は、一目みるなり、怒痔名が刑事であると気づかれてしまった。
そのため、犯人には、逃げられるは、このことが原因で飲みに行った割烹料理屋で、トラブルに巻き込まれ、店の生簀を壊してしまうは、先輩刑事の通称かめさん、こと亀輪万年(カメワマンネン)刑事を殴ってしまうはで、刑事を辞職することになってしまった。
ただ、人生とはまったく予想できないものです。
このことが原因で怒痔名は人生を変えてしまうとは、神のみ知るところか。
<今回の登場人物>
『どぶさん』こと、十部川宗次(ドブガワソウジ)警部
『かめさん』こと、亀輪万年 (カメワマンネン)刑事
|
▲目次へ戻る
3.悲劇の始まり・・・
「どじなん・・なんだその格好は?ここは宴会の席じゃないぞ」
亀さんが、叫んだ・・・と、その時だった。
凶悪犯人の『たぬき爺』が銀行から金を引き出し、逃亡するところだった。
たぬき爺は、器用に銀行の塀を、スパイダーマンのように、乗り越えようとしているとろだった。
「まて、たぬき爺、ここで会ったのが運のつきだ、素直に降参するんだ、そうでないと痛い目にあうぞ」
「うるさい、お前みたいな変な格好している男には捕まらないさ、ははは」
反射的にどじなんは、素早く男に近づこうとしたが、しかしその格好がまずかったのだ。
うっかり、NHKの喉自慢に出たときの格好・・やすき節の格好でしかも、司会者に現職の刑事であることをばらしていたのだ。
「なにい?お前・・どこかで見たことがあるぞ、そうだ、刑事だろう、テレビで見たぞ・たしかNHKの喉自慢じゃないか」
たぬき爺は、手に持っていたコンビニで買った、ヤマザキのアンマンを投げつけると、素早く塀を乗り越え、エンジンをかけてあったポルシェで逃げたのであった。
「簡単なもんだな、食べ物には目がないって、NHKでいっていたからな、まあアンマンは もったいなかったけど」
たぬき爺は怒痔名の視界から完全に消えてしまった。
「くそっー、たぬき爺に逃げられてしまった・・警部にどう説明しよかな・・まいったなあ」 このあと、やけ酒を飲みに行った、割烹料理屋で悲劇はさらに続くのであった。
|
▲目次へ戻る
4.不運な男・どじなん!
犯人に逃げられ、本庁に戻った亀さんと、どじなん状況報告が始まった。
「どうして、犯人を取り逃がしたか説明してくれ!」十部川警部が、どじなんに聞いた。
「いきなり、アンマンが飛んできたので、条件反射で食べてしましい犯人を
追いかける
タイミングを逃したのです・・・」
「なに?貴様それでも、刑事か」十部川警部は、タバコの火を灰皿に強く
押し付け、 どじなんをにらんだ。
まるで俳優の渡瀬恒彦のようなしぐさで・・
「お前は、食べ物が目の前にあると、他のことが目に入らなくなるのか・・」
「そういう訳じゃないんですが、体が勝手に反応してしまうんです・・・」
「もういい!会議の結果がいずれ出るだろうから、席に座っていろ」
十部川警部は怒ったように、新しいタバコを取り出すと、火をつけた
結局、どじなんは、3日の自宅謹慎ということで、自宅に帰ることとなった。
帰り道、いつも夕飯の前に、軽く食事をする、ひいきのイタリアンレストランのボッタクリーノに足を運び、人の良いシェフ兼マスターの、フンダクル金尾こと金尾挙太(かねおあげた)に愚痴をこぼすのだった・・・
「あげちゃん、今日は参ったよ、いつもの癖で犯人を取り逃がしたよ」
「だって、なんちゃん犯人を検挙する率高いじゃない」
「それはそうなんだけど、目の前に食べ物が出てくると・・・体が反応するじゃない・・
それでたまにとんでもないミスをするんだよね」
「そうかあ!じゃあ、きょうあたり、例の割烹料理屋で酒でも飲めばいいじゃない」
フンダクル金尾は、落ち着いた仕草で、どじなんに、まいたけおろしスパゲッティーの大盛りをだした。
(この店の料理は、リーズナブルで、美味しく、いつも行列ができるのです)
「あげちゃんそうするよ、気分転換に『味自慢』にいってみるよ」
怒痔名は金尾に軽く手を上げると店を出た。
<今日の登場人物>
イタリアンレストランのシェフ兼マスターの フンダクル金尾こと、金尾挙太(かねおあげた)
年齢 45歳 (田村正和のイメージ)
|
▲目次へ戻る
5.割烹料理屋
怒痔名はボッタクリーノのマスターこと、フンダクル金尾に教わった、美味しい割烹料理屋、味自慢に行く途中、フンダクル金尾の弟、トッティ金尾こと金尾捕太(かねおとった)に偶然会い、立ち話をしてしまったのだ。
トッティ金尾は、広尾で高級外車のディーラーを経営する敏腕青年実業家なのだ。
「あれ、なんちゃんじゃあない、どうしたの? 浮かぬ顔をしてさ」
怒痔名ははっとわれに帰り、顔をあげた。
「トッティちゃんじゃない、びっくりしたなあ」
「びっくりしたのは、僕のほうだよ、いつも元気のいいなんちゃんが、元気ないんだもん」
「さっき『ボッタクリーノ』で軽くスパゲッティ−を食べてきたよ。あげちゃんから教わった『味自慢』ってあったでしょう、そこに行くところなんだよね、よかったらトッティちゃんも行かない?」
「そうなんだ、『味自慢』は値段のわりに、食べ物は最高だよね、僕もよく行くよ、今日は用事があって行けないけど、今度また行こうよ」
「えっ?何か用事があるの?」
「うん、ベンツを買い換えるお客様と待ち合わせなんだよ」
「そうかあ、残念だな、じゃあまた飲もうよね」
「なんちゃん、それじゃ気をつけてね」っと軽く手お上げトッティ金尾は帰っていった。
「喉が渇いたな〜」っとそのとき、怒痔名の目に入ったものは、「食べ放題鮮魚2800円、しかも飲み放題が1500円しめて、4300円か〜、たしか普段は安くても1万円以上するな! よし決めた!今日は、こっちにするか」
怒痔名は別の割烹料理屋、つぼやに入ってしまった。
この、つぼやは、最近脱税問題で騒がれた、野々村サチエの経営する店だったのだ。
サチエのご主人は、彼女の脱税問題で、某大手企業の野球部監督を辞任したのだ。
「脱税問題で騒がれても、別に料理には関係ないからな」
これが、さらなる悲劇の始まりだとは・・・・
<登場人物>
トッティ金尾こと、金尾捕太(かねおとった)金尾挙太の弟(稲垣五郎のイメージ)
野々村サチエ(ののむらさちえ) 誰のイメージとは私の口からは・・・
野々村は、悪徳住職の、本間雲谷斎(ほんまうんこくさい)と、彼女の私設秘書瀬古井八代(せこいやつよ)と結託し、金儲けをいつも、たくらんでいるのだった。
怒痔名は、そんなことには、無頓着で、ビールの生大を8杯あけ、鮮魚を次から次へとたいらげ、あわびのおどり焼きが、焼けたので食べようと思った瞬間、悲劇起きた。
酔っ払った客が足を滑らせ、怒痔名のあわびの網を倒してしまったのだ。
「おお〜あわびが空中に」叫ぶが早し、体は、条件反射のごとく、あわびに・・ その瞬間、酔っ払いが倒した、アサヒスーパードライの空き瓶につまづき、体制を崩したところに、偶然にもここに来ていた、亀さんとはちあわせになり、あわびを握った手が、亀さんの右目にカウンターで入ってしまったのだ。
「うおぉ〜、どじなん、何をするんだ〜」
亀さんが叫んだと同時に、怒痔名はその勢いでつぼや自慢の最新式生簀を直撃、このシステムは、地震とか強い衝撃が起きると、安全のため、セキュリティーが働き、生簀中央の緊急ゲートが開くようになっていたのだ。
その結果、中の鮮魚たちは、つぼや横の川に、全部逃げてしまったのだ、残っていたのはあわび、サザエ等の貝たちだけであった。
「な・なんで亀さんがここにいるんですか?」怒痔名は、亀さんのところに行って亀さんを起こした。
「今日は家族で、食事しに来ていたんだよ、俺に恨みでもあるのか、犯人を取り逃がしたうっぷん晴らしか?」
「亀さん、そんなことないですよ、誤解ですよ誤解・・」怒痔名は亀さんに何度も平謝りした。
<登場人物>
本間雲谷斎(ほんまうんこくさい)イメージは(カウンタックに乗る、某僧侶)
瀬古井八代(せこいやつよ)イメージは看護士仲間による例の事件主犯格
悪い時は、悪いことが続くものです・・・・
そう、野々村の脱税問題で、マスコミ各社、テレビ、ラジオ、週刊誌等の記者や、レポーターが一気に押し寄せていたのです。
怒痔名の失態は、全国に生中継をされたことはもちろん、たまたま別の取材で(生簀=日本料理)来ていたCNNのライブ放送で、世界各国に発信されてしまったのだ。
このことが、原因で警視庁捜査1課の上司たちは、減給になってしまい、日本の警察の恥さらしと言うことで、ついに辞表を提出することになったのです。
それから、数日後・・・家で怒痔名はテレビを見ていた・・・・
「臨時ニュースを申し上げます・・・只今入った情報によりますと、世間を騒がせた、連続金融機関押し込み強盗の『たぬき爺』容疑者が、病院で緊急逮捕されました。
調べによりますと、容疑者は伊豆の別荘で食中毒にかかり、たまたま訪れた、別荘の管理人が、警察に通報、病院に収容され調べたことろ、容疑者と判明しました。
なお、容疑者は、賞味期限ぎれのコンビニのチキンかつ弁当を食べて食中毒になったということです、引き続き現場から・・・ただいま、容疑者を発見したお手柄の管理人のコメントが入ったようですそれでは現地リポーターと替わります」
「こちら現地です。リポーターの柿元です、今日こちらの別荘で連続金融機関押込み強盗の『たぬき爺』を発見した吉田さんです。吉田さんお手柄ですね」
「いやあ、びっくりしました3日に一回は別荘の巡回をしているのですが、今持ち主は都内にいるのに、電気がついていたんですよ。泥棒と思いそっと中のようすを見ると誰もいない、そこで鍵を開け中に入ると男が倒れていたのです。最初死んでいるのかと、恐る恐るそばに行ってみると、凄い脂汗をかいてうめいていたので、すぐ救急車を呼びましたが、まさか世間を騒がせている『たぬき爺』だとは思いませんでしたね。後で分かって、腰が抜けるくらい驚きました」
吉田は外人のように両手を開いて、首を傾けたポーズをとっていた。
その時、電話のベルが鳴った「もしもし、怒痔名です」電話の向こうからは、十部川警部警部の声が聞こえてきた。
「どじなん、君の辞表が受理されたよ・・・すぐ本庁まで来るように」おりしも、容疑者が逮捕された、数分後のことだった。
|
▲目次へ戻る
6.謎の女占い師、エルメス瑠美菜
それは、どじなん(松村邦洋をイメージしてください)が、警視庁を辞職し1週間過ぎた頃であった。
「くそっ!腹減ったなあ、ちょいとボッタクリーノに行って軽くパスタでも食うか・・・」
その時、前から、飯島直子似の素敵な女性が歩いてきた。
「どこかで、見たことのある女性だなあ」どじなんは、考えながら歩いていた。
「あっ!テレビや雑誌でよく見かける、女性占い師じゃないか・・・」
どじなんは、わらにもすがる思いで、女性に声をかけた。
「あのう、すいません!もしかしたらあなたは、エルメス瑠美菜さんじゃありません?」
女性は、素敵な微笑をうかべながら「そうですが、なんでしょうか」
さりげなく着こなした、「CHANEL」のスーツに、「HERMES」のバッグ、腕には、「BVLGARI」の時計をしていた。
どじなんは「最近ついてないことばかりで、何かいいことは無いでしょうか」
とパンだのハンカチで汗をふきながら、エルメス瑠美菜に話しかけるのだった。
「ついていないことって・・・なにかありましたの?」
「仕事でミスをして、首になって、今失業中なんですよ・・・」
「そうなのですか・・・それはお気の毒に」
瑠美菜は、しばらく考えた後怒痔名に向かって言った。
「分かりました・・この道を左に曲がってしばらく歩いて見てください。
あなたにとってきっとすばらしいことが起こるはずです」
瑠美菜は、どじなんに言い残すと、パーキングに止めてあった、フェラーリ550マラネロで去っていった。
「かっこいいなぁ・・・テレビで見るより素敵だし、いい車にも乗っている、凄いな」
エルメス瑠美菜に言われたとおり、どじなんは歩いていった。
その時である、前方を、急ブレーキをかけたトラックが歩道に乗り上げ、横転してしまったのだ。
トラックの運転手は、急ブレーキをかけたが間に合わなかったのだろう。
次の瞬間倒れたトラックの荷台から、突然豚が突進してきた。
その前方には、すごい美女が何も気づかずに歩いていた。
「あぶない!」どじなんは、瞬間的に豚に飛びつき、羽交い絞めにして美女の目の前で豚を気絶させてしまった。
そこには、突然のことで、何も分からずびっくりした美女(女優の米倉涼子をイメージしてください)がいた。
これが、彼女との出会い。
そうです、彼女こそ某FM局の人気DJ綺麗田ナナだったのだ。
|
▲目次へ戻る
7.オリコンチャート赤丸急上昇中!
文中の詩とフォトは、「Honey Flash」のゆきちゃんに著作権があります。
豚は口から泡を吹いて気絶していた・・・・
「おお、トンカツ、しゃぶしゃぶ、角煮・・どの位食えるかな」と、どじなんが不純なことを考えていると。
「あぶないところ、助けていただいてありがとうございます」
と、綺麗田ナナは怒痔名に微笑んだ。
ふとわれに帰った、どじなんは、綺麗田ナナの魅力にまいってしまった。
「と・と・とんでもないですよ。あたりまえのことをしたまでです」
パンダのハンカチをポケットから取り出すと、汗をふきながら照れるのだった。
「私、綺麗田といいます。スタージャックというFM局でDJやってます。もしよろしければ少し時間がありますので、食事でもしませんか?」
「ええ?スタージャックFMの綺麗田ナナさんですか?僕あなたの大ファンなんですよ・・信じられないです」
「ありがとうございます、番組聞いていただいてありがとうございます」
ナナは笑いながら、近くのボッタリーノ向かった。
「あのう、ナナさん、どうしてこの店知っているんですか?」どじなんは、聞いた。
「えっ?ここのマスター、番組にでたことあるんですよ」
ふたりは、ボッタクリーノに入って食事をした。
「実は、あなたのこと、テレビで見ました。いつかは私の番組に出ていただこうかしら・・・」
笑いながらナナは、どじなんに言ったのだった。
「あっそうなんですか?もしかしたら、あの割烹料理店の失態ですか・・」
「失態だなんて、あれは事故みたいなものよ、しょうがないですよね」
ナナは、怒痔名をかばうように言ってくれた。
「実はね、これから赤丸急上昇中の、Yukiちゃんが生番に登場するの。楽しみだわ」
とナナが言った時、ボッタリーノの店から、Yukiのファーストシングル『Again』が流れてきた。
♪♪写真立ての二人 今ではなつかしい
後悔なんてしたくないなんて かんたんに
口にしていた
あの頃に戻りたい ずっと一緒にいたい
あなたを失くして すべてが変わった
さよなら なんてことばは
かんたんに伝えてはいけない
大好き なんてことばは
今はもう伝えてはいけない
さあ 旅立とう 私はもう
未来しか見ない 輝ける明日へ
ありがとう ホントにありがとう
あなたに出会えて本当に良かった
「またいつか」のことばを
今あなたに 私の笑顔と
共に伝えたい♪♪
「えっ!この人来るんですか?よくテレビでみますよ・・すごいなあ!」
ふたりは、1時間ほど楽しくおしゃべりをして過ごした。
「あっ!もうこんな時間、すいません、これで失礼してよろしいかしら?」
ナナは食事代を払おうとしたのだったが、どじなんは「ここは私に任せてください」
と照れながら言うのであった。
「ごめんなさいね、わたしのほうから誘っておいて・・・」
綺麗田ナナが、帰った後「しまった!さっきの豚を忘れていた・・・」
どじなんは、慌てて豚のところに行ったが、時すでに遅し・・・豚は、警察が来る前に何処かに逃げたのであった。
「くそっ〜もう少しで、豚を食えるところだったのに・・・」
どじなんは、家に帰りMDコンポのスイッチを入れた。
チューニングを、77.77MHzにセットすると、キティちゃんのマグカップに
昆布茶の粉末をいれた。
「あっ失敗した。ミロにすればよかったかな、まあいいか、ステレオから、ナナの声が聞こえてきた。
「皆さんこんにちはわ、Star Jack FMのナナです!今日も楽しく、ミュージッククルージングを楽しんでください、今日のスペシャルゲストとして、Yukiちゃんが、来てくれます、楽しみにしていてくださいね!」
どじなんは、昆布茶にお湯を注ぐと、音楽に耳を傾けた・・・・
「それでは、今日のスペシャルゲスト、Yukiちゃんの登場です、どうぞYukiちゃん」
「Star Jack FMをお聞きの皆さま!Yukiです、「Agai」と「I can't wait〜tears」を聞いていただいて、ありがとうございす。この詩(うた)は、わたしが書いたの!」
とYukiちゃんが曲ができたいきさつや、現在の心境をファンのみんなに、説明するのだった。
ナナが「Yukiちゃんって、爽やかな印象がすごくあって、TVの化粧品のコマーシャルにも出てるけど、バラードか、スローテンポな曲も歌うじゃない?将来は、どんな歌手に なりたいのかな?」
「そうですね、わたし的には、息の長い歌手ですか、ドラマとかにも機会があったら出たいし、将来的には世界に通用する歌手ですね」
実際アジア地区では、Yukiちゃんブームが到来する兆しがでているのだった。
「最後に、何か番組に対するご意見等がありましたら,番組宛てにファックスか、イーメール、アドレスは、nana77@starjack,ne.jpまでお送りくださいね!それでは、皆さまにとって素敵な1日でありますように・・・」
今日のエンディングテーマは、Yukiの『Again』だった。
その頃、逃げ出した豚が、凶暴化し、都内を逃走中という情報が警視庁に入った。
<新登場人物>
Yukiちゃん 大学生シンガー デビュー曲「Again」は現在オリコン8位
2曲目の「I can't wait〜tears」も12位にランク赤丸急上昇中<
|
▲目次へ戻る
8.ボルボ13登場!
逃げ出した豚は、野々村サチエの経営する、つぼやに突進していった。
アベックのお客が店から出ようと、ドアが開いた瞬間だった。
アベックは、一瞬の出来事に腰を抜かしてその場にうずくまった。
「いったい、何事なの?」女性のほうが連れの男性に言った。
「僕だって、何がなんだかわからないよ、テレビ番組の『びっくりカメラかな』?
もう一度店に入ってみようか」
豚はその隙間から店内に入り、入り口正面左の棚にぶつかった。
その棚の上には、たる酒の月桂冠が置いてあったが、豚がぶつかったため、倒れ、栓がはずれ、中の酒が溢れ出てしまったのだ。
豚は、その酒を一気に飲み干すと、また店を出て行き、何処かへ走り去るのだった。
先ほどのアベックが店の入り口付近でうろうろしていると、その横を目にも止まらぬ速さで走り去っていった。
どじなんが、豚を羽交い絞めしたことにより、豚の首の頚椎に神経が圧迫され豚の脳内アドレナリン分泌量が、急激に増え、興奮状態におちいったのだった。
さらに悪いことに、月桂冠を一気に飲み干した結果、豚は、凶暴な猪と化したのだった。
連絡を受けた、十部川警部はタバコに火を灰皿に押し付けるように言った。
「このままでは危険だ、ここは、あの男にたのうもう」
十部川警部は、携帯を取り出すと「ボルボ13か、都内に危険な豚が逃走中、資料を携帯に送るから処理を頼む・・・」
ボルボ13は、どじなんが退職した後、凶悪な犯罪から国民を守るため、十部川警部が特別に、ヘッドハンティングした男だったのだ。
ボルボ13とは、世界中の国際A級テロリストたちから恐れらている、正体不明の男だ。
彼はデューク西郷と名のり、700m離れたところにある、あひる隊長の動く人形を正確に狙撃することができるうえ、金城武なみの美貌をほこり、松村邦洋似のどじなんとは 比べものにならなかったのだ。
ボルボ13が凄いのは、狙撃の腕と美貌だけではなかったのだ。
「豚を狙撃することは簡単だ、問題は豚を殺すことじゃない」ボルボ13は、ゴムのようなやわらかい特殊な弾をとりだすと、逃走中の豚にスコープをあわせた。
このとき彼の脳内では、スーパーコンピューターなみの状況解析をおこなわれていたのだ。
弾は撃たれた、豚の陽気になるつぼに当たった。
豚は一瞬全身をけいれんさせたようにぴくぴくして倒れた。
ボルボ13の狙撃ミスか・・・しかし奇跡はおきたのだ。
豚はやがて起きあがると愛くるしい仕草で「ぶーぶー」ないていた。
豚は陽気な豚ちゃんになり事件に決着がついた。
後にこの豚が「キャサリン」と名乗り、映画の主人公になるとは、だれも予想することはできなかった。
ボルボ13は何事もなかったように何処かへと消えていった。
その頃どじなんは、吉野家の牛丼大盛りを5杯食らい、気持ちよく寝ていたのである。
この後、ひょんなことから、どじなんは探偵事務所を開くことになるのだった。
今日の登場人物 ボルボ13(デューク西郷)こと、西郷盛隆(さいごうもりたか)
鹿児島県出身、元インターポールの特殊工作員、年齢は28歳だ。
(金城武のイメージです。
|
▲目次へ戻る
9.あさみちゃん登場!
どじなんこと、怒痔名軟膏は今失業中である。
とんだどじを起こしてしまい、警視庁を辞職したのであった。
今日は、千葉の幕張で設計事務所を経営している、おじのしょうちゃんのところへ、今後の身の相談を兼ねて遊びに行くところであった。
しょうちゃんとは・・・彼を語るとき、下半身の話抜きにはかたれない。
読書のみなさまには、申し訳ないが、ご勘弁願いたい。私の業界関連の人です。
彼は、その立派な下半身のため、若い時から、『巨砲を持つ男』『さお師しょうちゃん』『キャノン砲ショー』等の異名を持ち、彼の伝説は語り知れない。
彼は今、幸せな結婚生活を送っているが若い時は、マスクもかっこいいため、映画の世界からも誘いがあったと聞く。
詳しい話は後ほどすることにしよう。
どじなんが、幕張に向かう途中、「腹減ったなあ・・・、そうだ、ららぽーとが近いから飯でも食うか。
今日は車だし酒は我慢しよう」どじなんは、海老川側の駐車場に車を止めた。
「いい天気だなあ!川を見てみよう・・」と、ららぽーと横の護岸に出た時だった。
「あっ、あれはなんだ?猫が流されているじゃないか・・」どじなんは、われを忘れ、海老川に飛び込んだ。
水の流れと猫が暴れているためなかなか救助できない。
どじなは水に流されながらも猫を何とか救助すると、ずぶぬれになりながら護岸へあがってきた。
その時、一人の可愛い女性が泣きながらどじなんのほうに歩いてきた。
「どうもありがとうございます。ちょっとしたスキに猫がバスケットから出てしまいカラスにいたずらされて、川に落ちてしまったの・・助かりました」
「ええっ?」怒痔名は女性をみあげた。
「あっすいません。わたし、綾小路あさみといいますどうもありがとうございました。ずぶぬれになってしまいましたが大丈夫ですか?着替えを買ってきましょうか」
「大丈夫です。ジャージでしたら車にありますし、ららぽーとで買いますから気にしないでください」
これは後に分かったことなのだが、彼女の名前は、綾小路あさみ、旧家のお嬢様で、明治時代は華族の称号をもつ由緒ある家柄のお嬢様だったのだ。
父は全国的に有名なファーストフードの上場会社を経営するCEOだという。
ただ、あさみは、小さい頃から、お嬢様と言われるのが大嫌いであったのだ。
そのため、高校を卒業すると両親の反対を押し切り、単身アメリカへと渡り、自分の力だけでビジネススクールに入ったのだ。
ただ、全てが英語の環境しかも、全てが専門用語の連続・・・レポート提出も数知れず。
しかし彼女は、持ち前の明るさと、頑張りでなんと、ベスト5の成績で卒業してしまったのだ。
驚いたことに費用の数千万円は、彼女が高校の時に考案した、グッズのパテント料でまかなうことができたというのだ。
あさみは、どじなんに丁重に礼をいうと。
「後日お礼をさせてください・・」と名刺を渡した。
どじなんは、ららぽーとで着替えの洋服を買うと、しょうちゃんがいる幕張へと 向かうのであった。
(この時彼の運命は大きく変わった。どじなんはあさみちゃんと、後日、東京で会うことになるのだが、このことが探偵事務所を開くきったけとなったのだ)
<今日の新登場人物> 綾小路あさみ
旧家のお嬢様だが、敷き詰められたレールの人生を嫌い自分で、会社を経営する美人実業家
しょうちゃん:業界人間です、現在は自分のでかい『さお』を釣りざおにもちかえて真面目にやってます。
|
▲目次へ戻る
10.事件発生!(しょうちゃん)
もう1ブロック先にしょうちゃんの設計事務所が見えてくる・・・
というあたりまで来た時、どじなんのポケットの中で軽快なメロディーが響いた。
何と、これから訪ねようとしているしょうちゃん本人からの電話だった。
しょうちゃんの声は尋常ではなかった。あわてているし、電話をきちんと持っていないらしく、声もとぎれとぎれだ。
「おじさん・・・なにかあったんですか?声がよく聞き取れないんだけど・・」
どじなんこと、怒痔名軟膏(松村邦洋をイメージしてください)は大きな声で携帯に話しかけた。
「なんちゃん・・・・大変なことがおこったよ・・・・」
よく聞いてみると、コーヒーを飲もうと、コーヒーメーカーに手を伸ばした時、悲劇はおきたのだ。
この辺をうろついている親分格のドラ猫が、空いていた窓から忍び込みしょうちやんの前をジャンプしたのだ。
この時しょうちゃんが持っていたメーカーに猫が当り中のコーヒーがしょうちゃんの大事な股間を直撃した。
「くそっ〜普段から大きく風呂でいすに座ると下についてしまうのに腫れたらどうするんだ」
しょうちゃんの声は、一段とトーンアップしていた。
どじなんはすぐにしょうちゃんのオフィスに着いた。
車を駐車場に止めると、素早くしょうちゃんのオフィスに入った。
「おじさん、大丈夫ですか?どうしたんですか」
「あっ、なんちゃんまいったよ・・ドラ猫にやらてれた・・」
「ドラ猫って?」
「ドラ猫が、コーヒーメーカーを倒してしまって、僕の股間にコーヒーが不幸にも直撃したんだよ・・・」
「おじさん、それは大変だ!すぐ病院に行きましょう、さあ早く」
怒痔名は、安全のため、翔ちゃんを連れて、すぐ近くの病院に向かった。
火傷は幸い的を外れていたので(部分的に少し火傷した程度)よかったのだがここからが大変だった。
しょうちゃんの股間の『いちもつ』が若いナースの間で話題になり、サイン攻めにはあうし、インターンの実験台にバイトをしてくれと頼まれるわ・・・一時病院はパニック状態に陥ったのだった。
若いナースが、ふたりで話をしていた。
「ねえ恭子、今日来た患者さんいたじゃない、見た?」
「見たって、何をよ、祐美?」
「そうかあ、見てないのね、フフフ・・さっき来たばかりだったわね」
「祐美、もったいぶらないで、早く話してよ・・」
「あっごめん、ごめん、今日の患者さんの『あそこ』凄かったわよ、あれだけ大きいのは、最近見たことないわね、それは凄かったのよ」
「うっそおー!いいな、いいな、見たかった」
「大丈夫よ、研究のため、デジカメに撮っておいたから後で見せるわね・・」
(病院でも彼はとても有名人になりました。)
なんとか病院から戻り、どじなんは、しみじみとしょうちゃんに話始めた。
「おじさん、実は今後のことで相談したいんだけど、何をするか分からないんだよ。
おじさんの知り合いで誰かいい人いないかな?」
しょうちゃんは、笑いながら「なんちゃんは、金にはきれいだけど、食に関しては意地汚いところあるしなあ、股間も僕と違って小さいからな、AV男優になるわけにもいかないし設計事務所は向かないしね。前が刑事じゃない、どう探偵でもやってみたら?」
どじなんは「探偵か・・もう事件にかかわるの御免だよ〜お笑い俳優にでもなるかな」
ふたりは、幕張駅近くの「だるま」という居酒屋に向かった。
この「だるま」はメニューも豊富で、マスターは気立てもよく、料理もうまくて安いので、このあたりのオフィスの連中でいつも賑わっているのだ。
姉妹店の「だるま亭」もあり、こちらは昼の食事もできる、非常にリーズナブルで安心して飲み食いができるのだ。(本当ですよ、ぜひぜひ)
ふたりは、生大を飲み干し、飲み食いをした。
「おじさん、今日は車で来てしまったので、おじさんのところに置いて下さい暇な時にとりに来ますから」
午後9時になったので、どじなんは幕張駅に向かった。
その頃、あさみは次の仕事の打ち合わせのため、まだオフィスにいたのだ。
新製品のコマーシャルに、誰を起用するか? 提出された報告書をチェックしていたのだ。
|
▲目次へ戻る
11.どじなん、コマーシャル出演なるか!
(やっと、第2弾がスタートできそうです(笑)ワールドカップが始まる直前から更新してなくて・・・)
あさみは、例のコマーシャルに誰を起用するか、チェック中であったが、結論が出た。
今度の、ネコのペットフード「にゃんこdaディナー」の新商品は怒痔名軟膏に決まった。
理由は、割烹料理屋での全世界に流れた知名度、それとあさみの猫を助けた時。
そう、この時も船橋の海老川で船の取材中にたまたまビデオに写っていたのだ。
この模様は、夜のNHKのニュース番組にも取り上げられた。
今の世の中、なんの罪もない猫や鴨に、矢を放つ人間がいるというのに、どじなんの、なんとも爽やかな行為がが好評を得ていたのだ。
どじなんは、東京のアパートを引き払い、行徳駅前のマンションに引っ越していた。
お腹が空いたので、近くの「ちゃんこ料理店」に食べに行こうとしたときだった。
携帯が鳴った・・「怒痔名さんですか? 綾小路あさみです、先日はありがとうございました。実は、おりいってお話があるんですけど、明日は何か予定が入ってますか?
できましたら、わたしの事務所に来ていただきたいんですが。」
どじなんは、「明日ですか、引越しも終わったし、別に用事がありませんからいいですよ」
どじなんは、時間を約束し、あさみの事務所に行くことになった。
あさみの事務所は日本橋にあった。ビルの3階にオフィスを構えていたのだ。
「Office AA」の案内看板を見てから、エレベーターで3階に上ろうとした時だった。
エレベーターのドアが開いたとき、中から、エルメス瑠美菜が出てきた。
「あら?あなたは、あの時の・・・たしかTVで名前は見ました。怒痔名>さんでしたかしら、良いことはありましたか?」と、どじなんに優しく微笑んだ。
どじなんは、「ええ!お、おかげさまで、瑠美菜さんのいうとおりに道路を歩いていたら すべてうまくいきました、これから、綾小路あさみさんのオフィスにいくところです。
まだ何か良くわからないんだけど、楽しみだなぁ〜」っとどじなん。
「あっ、そうなの?、わたしも今彼女のオフィスに用事があって行ったところよ、なんでも新しいコマーシャルに起用する人が来るとか。あなただったのね、わたしこれからフジテレビに行きますので、これで失礼しますね」
エルメス瑠美菜は帰っていった。
「そうなのか、コマーシャルかぁ、なんだろうなぁ」どじなんは、もう一度エレベータのスイッチを押し、エレベーターが来るのを待った。
|
▲目次へ戻る
12.全日本大食いデスマッチ!
エレベータがきた、怒痔名がエレベーターに乗り込み3Fのスイッチを押そうとした時だった。
「あっスイマセン」汗を拭き拭き一人の男がエレベーターに入ってきた。
「あっ、き・君はたしか、田部君じゃあなかった?」怒痔名は男に尋ねた。
男は、不審そうに振り向くと、「あっ、あなたは、怒痔名さんですよね。
すっかり有名になってしまいましたね、声をかけていただくなんて、とても光栄です。
怒痔名さんが、全日本大食いデスマッチの第6回大会から、欠場されているので、僕もやっとチャンピオンになることができました。あっはっは…・」 田部は、豪快に笑いながら汗を拭くのであった。
田部泰三(たべたいぞう)、28歳、独身、大手電気店勤務、全日本大食いデスマッチの第6回大会と、第7回大会の連続チャンピョンで、大食いのくせに、全然太らない体型であった。
マスクも、木村拓哉ばりのハンサムさほ誇り、全日本物まね選手権でも、3位に入り、歌も上手であった。そのため芸能界からのスカウトが後をたたないという。
怒痔名もこの大食デスマッチでは、第3回から第5回までのチャンピョンであったのだが、偽名を使い、かつらをかっぶって参加していたのだが、警視庁の十部川警部に見破られ、第6回対から欠場していたのだ。
第4回大会と、第5回大会は、怒痔名と田部の一騎打ちとなり、デットヒートの結果、2年連続僅差で、怒痔名が優勝。田部は準優勝していたのだ。
この時テレビの視聴率はゆうに30%を超えていた。
「ところで今日は、このビルに何か用事でもあるんですか?」と、怒痔名は田部に聞いた。
田部は、「Office AAで、僕が出演する、電気製品のCMのプロモーション
ビデオができたそうなので、見にきたのです、ついでにパンフレットの粗刷りも見てこようかと・・」
「あっそうなんだ、僕もそちらにいくところだよ、じゃあ一緒に行こうよ」
ふたりは、エレベーターを降り、あさみのオフィスの、受付嬢に名前を告げると、 中に入っていった。
中に入ると、あさみが、2人に微笑みながらで迎えてくれた。
「お忙しいところ、申し訳ありません」あさみは、ふたりにソファに座るよう薦めた。
「ちょうど、2人一緒でよかったわ、セクションが違うので、今担当を呼びますね」
しばらくすると、中年の男性と、若い女性がやってきた。
お互いに名詞交換をした後、打ち合わせに入ることになった。
怒痔名を担当するのは、仲居五郎という40代前半の男であった。
田部を担当するのは、五十嵐まゆみという20代後半の女性であった。
ふたりは担当が違うため、それぞれ別の会議室に入っていった。
今回は、怒痔名は初めてということであったので、あさみも一緒に会議に参加 することになった。
担当の、仲居が始めに、話の概略を説明してくれた。
「今回、ペットフード会社から、新製品が発売されることになりましたが、そのコマーシャルに、怒痔名さんを起用することになりました。今までの製品にはない、インパクトが要求されます。今までは、単に猫を起用するぐらいでしたが、今回はもっとスケールの大きい映画の短編シリーズ企画を予定しています……」
怒痔名は、「僕にできるでしょうか?なんか、こんな体型しているし、先ほどの、田部君あたりのほうがいいんじゃないですか?」
あさみは笑いながら「会議では最終結論まで、いろいろとありましたが、このせちがらいギスギスした世の中でしょう。人情味あふれるストーリに、あえてしてみたのよ」
あさみは笑いながら言った。
この後、CMのストーリーが明かされることになるのだ。
|
▲目次へ戻る
13.にゃんこdaディナー
撮影場所は、大阪の道頓堀に決まった。
数日後、「にゃんこdaディナー」のコマーシャル撮影が始まることになり、
スタッフ達が前日大阪に乗り込んだ。当然主演者の「怒痔名軟膏」・・どじなん、(松村邦洋をイメージしてください。)は、撮影の2日前に出かけた。
それには訳があったのだ。
食べることに関して人一倍貪欲な、どじなんは、撮影場所が道頓堀と聞いただけで頭の中は食べることでいっぱいになってしまった。
そのため、みんなより1日早く大阪に行き、食べ歩こうと思っていたのだ。
飛行機で行くか、新幹線にするか迷ったが、浜松の駅弁「特製うなぎ飯」と「喧嘩凧」 が食べたかったので新幹線に決めた。
東京を14:20分発の新幹線、のぞみ71号で新大阪に向かった。
途中アサヒスーパードライを3本と、「特製うなぎ飯」2個、「喧嘩凧」を2個を買い食べながら、コマーシャル撮影のシナリオを見た。
<脚本:コマーシャルのシナリオ>
シーン@
(効果音は町の音をそのまま入れる。)
道頓堀の「えびす橋」付近がアップに映し出され
人々でごった返している夕方の道頓堀。
シーンA
(音楽は爽やかな感じの曲が流れている。)
カール(猫の種類)の、ビビちゃんが、
若い美女に抱き抱えられ、歩いている。
腕には、箱のようなものが入った袋をさげている。
ビビちゃんがアップで映し出される。
シーンB
(音楽は、メローな曲に変わる。)
美女がえびす橋の上で足を止め、腕に下げていた袋を橋の横に置き、
ビビちゃんを両手で持ち上げる。
美女とビビちゃんがアップで映し出される。
シーンC
(音楽は、アップテンポな曲に変わる。)
美女のそばを野良犬が、何かにぶつかりながら走り去る。
逃げる犬の後姿が映し出される。
シーンD
ビビちゃんが激しく泣き出したところがアップで映し出される。
きょとんとした美女の顔。
シーンE
(音楽は危険な感じの曲に変わる。)
えびす橋の下を、美女の持っていた袋が流れている。
その時、誰かが飛び込む。
ずぶ濡れになりながら、怒痔名が橋の上に上がってきた。
(音楽は安らぎの感じの曲に変わる。)
袋の中から「にゃんこdaディナー」を取り出し。
美女に渡す、喜ぶ美女とビビちゃん。
笑いあう美女、ビビちゃん、怒痔名達の顔がアップで映しだされる。
「なんでも探偵事務所」の名詞を美女に渡すと、男は去っていった
怒痔名の後ろ姿を見つめる、美女とビビちゃん。
(音楽は爽やかな感じの曲に変わり、女性のナレーションが入る)
「にゃんこdaディナーが新発売されました。
今までの製品と比べると、カルシウム、必須アミノ酸の量を15%増量、値段はそのままで、猫もきっと満足するでしょう、合成着色料等の添加物は
一切使用しておりません、猫に優しい自然食品です、猫ちゃんも安心して食べられる、にゃんこdaディナーです。」
画面がスケールアウトしながら、「にゃんこdaディナー」のパッケージが
アップで映し出されてコマーシャルが終了する。
「う〜ん、なるほど・・ところで、美女って誰なんだろう?」
怒痔名はまだ出演者を聞かされていなかったのだ。
これは、マスコミを意識して、センセーショナルに当日発表するということだった。
怒痔名は、「特製うなぎ飯」と「喧嘩凧」の弁当を食べ終わったので、少し休むことにした。
「道頓堀の食べ歩きのため少し休むか・・・・」
怒痔名と出演する美女とは・・・それは、全国的にも有名な、エステの社長婦人
でもあり、有名女優でもあったのだ。
名前は、まだ明かせないが、28歳で、超美人、容姿端麗、頭脳明晰、人格良し、少女時代は国民的アイドルであった。ハリウッドの映画にも出演したことがあったのだ。
|
▲目次へ戻る
14.松嶋姫乃登場!
怒痔名は、新大阪に着くと、在来線に乗り大阪へと向かった。
大阪に着き、たこ焼きでも食べてから道頓堀に行こうと思ったが、我慢をし電車を乗り換えた。
道頓堀に着いた。今日は何を食べようか迷ったが、とりあえず、ふぐが食べたかったので、ふぐを食べ、飲んでいい気分になった。
その後、カニを食べ、最後にラーメンを食べてその日は、予約してあるホテルへ帰って寝た。
次の日は、昔刑事の時にお世話になった、OBで現在は大阪の警備会社に勤務する銭形雉雄(ぜにがたきじお)43歳と飲むことになった。
銭形は刑事の時に、いつもパチンコの玉を持ち歩いていた。犯人を逮捕する時
そのパチンコ玉をぶつけるのだ。
「パチンコのキジさん」といったら、この業界で知らない人はいないくらい有名で、パチンコの腕もプロ級だった。
刑事であるので表立ってパチンコはできなかったが、それでも非番の日と休日だけでも、給料分くらいは稼いだという、今は、兵庫県に住んでいるが、最近では、スロットに凝っていてスロット仲間からは、「スロットの銭さん」と恐れられているそうだ。
やはり、警備会社の給料の2倍は毎月稼いでいると聞く・・
「相変わらず、荒稼ぎしているそうですね、銭さんは・・」
「そうでもないんだけど、俺が行くと、俺のファンだという連中のとりまきにあって・・最近では違う店に行っているんだよ」
銭形は、笑いながらビールのグラスを飲み干した。
「ところで、なんちゃん、今プーなんだって、どうしたんだよ?」
「食べ物で、失敗して・・警視庁を首になったんですよ」
「そういえば、ニュースに映っていたことがあったよな・・」
ふたりは、昔の話で大いに盛り上がり夜遅くまで飲んで騒いだ。
次の日ついに、コマーシャル撮影に入ることになった。
撮影は、午前10時から行われることになった。
道頓堀に着くとあたりは、騒然としていた、警備の警察官約60人が警備にあたりバイトの人たちも大勢いて、まるで映画の撮影現場のようだった。
撮影の前に、代役の人が実際に、川に飛び込んだり、
カメラ位置を決めるため、最終チェックが行われていたのだ。
怒痔名達が、位置決め、せりふの準備をしているところに、大型のワンボック
スカーが到着した。
その中から、松嶋姫乃(まつしまひめの)が微笑みながら、降りてきた。
「ま・まさか・・・美女っていうのは、姫乃さんのことだったの・・・」怒痔名は 緊張のあまり固まってしまった。
松嶋姫乃、28歳、、全国的にも有名な、「モア・ビューティー・マツシマ」の社長婦人でもあり超有名な女優だったのだ。
姫乃は中学の時、たまたま友達があるプロダクションのオーデションに申し込んでしまい、仕方なく受けたところなんと優勝してしまった。
旧姓、森高姫乃(もりたかひめの)は、あっという間に国民的アイドルになってしまった。
アイドル歌手として、ヒット曲を連発したが、やがて女優となり、映画、TVで大活躍大ブレイクをしたのだ。
しかし、高校と大学は卒業し、学生時代には、ハリウッドの映画にも出演したことがある。
普通若くてこれだけ有名になると、天狗になってしまうところだが、姫乃は違った。
撮影の時は、サンドイッチを作ってきたり、脇役の人たちへの配慮も惜しまなかった。
影日向がなかったのだ。
そんな彼女も、24歳の若さで、惜しまれながら結婚してしまい。当時の熱烈な姫乃ファンは、全国で涙を流しながら二人を祝福した。
結婚の相手は、カリスマ美容師といわれ、一世を風靡した、松嶋隆志(まつしまたかし)だった。
彼は、原宿で店を出していたが、姫乃のヘアカットとメイクを担当していた。
いつしか二人は恋に落ち、めでたく結婚したのだ。
やがて、ふたりは、総合エステ・ビューティサロンの「モア・ビューティー・マツシマ」を興し、女優の傍ら、自ら、化粧品の開発にも積極的に参加をしこちらも有名になってしまった。
この会社は、ただ女性を美しくするというだけでない。
女性の美しさとは、表面的なものでなく、心の温かさが必要なのだ。人を思いやる心、これが大切なのだ。これはふたりの人間性によるものだろう。
コマーシャルの撮影だというのに、マスコミ各社が大勢集まった。
「この中で撮影するのか・・・・」怒痔名はあせったが、覚悟を決めた。
姫乃のリードで、無事撮影も終わり、後は編集だけだった。
昼間の撮影であったが、コンピューターの画像処理により、夕方のイメージが出るのだ。
約2週間後、このコマーシャルが、オンエアされることになった。
特別番組の「世紀末の愛」この作品は、普通の美人OLが事件に巻き込まれ、
犯人と疑われた青年と、恋に落ちながら、事件を解決して、自らの潔白を証明するという物語だ。このヒロイン役には、もちろん「松嶋姫乃」が主演する、恋人役には現在売り出し中の俳優「加藤慎吾」が起用された。このドラマのに、猫の「ビビちゃん」も出演していたのだ。
姫乃のが飼っているペットとしてドラマに出演しているのだ。
この番組のコマーシャル用として、オンエアされたのだったが、放送されると、あさみの「Office AA」には、ひっきりなしに電話やファックスがかかってきた。
このことが、きっかけで怒痔名は、探偵事務所を開くことになるのだ。
|
▲目次へ戻る
15.「なんでも企画」事務所開き
「にゃんこdaディナー」のコマーシャルは、とてもセンセーショナルであった。
ペットフード会社とあさみのオフィスには、問い合わせの電話が殺到した。
話題の「世紀末の愛」の放送も、視聴率38%くらいまでいった。
この番組は、視聴者を大いに泣かせたのだ。次の日のスポーツ新聞各誌を賑わせた。
また、怒痔名に対する問い合わせも殺到した。
この結果、みんなの薦めで、怒痔名は探偵事務所を開くことにしたのだ。
行徳駅前に引っ越したばっかりであったが、事務所は、浦安の当代島にあるお
寿司屋の好意により、浦安市猫実(ねこざね)のマンションの1階を借りることができた。
探偵事務所の名前は、「なんでも探偵事務所」にしようと思ったのだが、一般の人が探偵事務所と名前がつくと、入りづらいのではないかということで、「なんでも企画」 という名前にした。
とりあえずは、受付の女子社員と、スタッフを確保することから始めた。
女子社員は、お寿司屋の紹介により、浦安市堀江に住む、醍醐美香(23歳)に決まった。
スタッフの2名のうち、一人は、叔父のしょうちゃんの知り合いの、「小原笑輔」(おはらしょうすけ)26歳に決まった。
笑輔は、しょうちゃんの下半身に勝るとも劣らない、立派なものを持っていた。
酒は強く、いつも豪快な笑いをする、身長も183cmあり陰日向のない、いい男だ。
もう一人は、怒痔名が警視庁時代、連続幼女誘拐事件の時、捜査に協力してくれた、民間人の橋爪純一、29歳だ。彼は、子供の頃から、スパイ映画に入れ込み、幼女誘拐事件でも、盗聴器を仕掛けたり、超望遠レンズを使用し、ビデをに撮影していた。
事件が大事に至らないですんだのは、橋爪の功績であったが、十部川警部から
今後このようなことをしないように、厳重に注意をされていたのだ。
今回は、探偵事務所に勤務ということで、プライバシーの侵害をしないことを条件に、なんとか正社員になれたのだ。
会社の必要手続きを終え、法務局の手続きも無事終わったので、準備はすべて整った。
PC,電話、ファックス、コピー機、全て搬入された。
NTT,東京電力、京葉ガス、水道の手続きも全て完了。
いよいよ事務所開きの日が、やってきた。2001年5月中旬のことであった。
事務所開きに招待された面々を紹介しよう。
招待された、人々の豪華なこと・・・有名女優の「松嶋姫乃」、売れっ子歌手
「yuki」、警視庁捜査1課の警部「十部川宗次」、刑事の「亀輪万年」、ボッタリーノのシェフ「金尾挙太」、敏腕実業家「金尾捕太」・・・謎の女占い師「エルメス瑠美菜」、大食いの「田部泰三」、探偵事務所を開くことを薦めた「綾小路あさみ」、叔父の「しょうちゃん」、そして、怒痔名があこがれる、有名DJ、スタージャックFMの「綺麗田ナナ」達のそうそうたるメンバーであった。
ただ、エルメス瑠美菜は最後に重大な発言をしたのだった。
「みなさん、まだオフレコなんですが、もうじきマスコミにも発表します
。わたし、実は結婚しますの」
事務所の中が、一瞬静かになった。
怒痔名が、突然咳をきったように質問した。
「おめでとうございます。ところで、結婚するって誰となんですか?もしさしつかえなかったら、教えていただけます?」
「ええ、もうじき正式に発表しますので、いいですわよ、アメリカのミュージシャンの『トミー・スナイダー』です」
「ええっ!トミーって、あの『イーグルス』とジョイントコンサートした、最近売り出し中のロックバンドのボーカルですよね?凄いですね・・」
「そうなんです、数ヶ月したら、ニューヨークに移り住みます」
事務所の中は、拍手喝采がしばらく鳴り止まなかった。
みんな大いに飲んだ騒いで、盛り上がり楽しい1日は、無事終了した。
楽しいひと時が終わり、みんなが帰路につき、やがて怒痔名一人になった。
「さあ、いよいよ「なんでも企画」の仕事が始まるぞ、気合が入るなぁ」怒痔名は、当代島のお寿司屋で、酒を飲みながら寿司をたいらげ、明日からのことを考えるのであった。
行徳駅前の、マンションに帰り、録画してあった「世紀末の愛」のビデオをもう一度みてから、ベッドに入った。
その日は、南の島で、たらふく美味いものを食べ、飲んで騒いだ素敵な夢を見ていた。
いよいよ、怒痔名の探偵事務所「なんでも企画」の仕事が始まろうとしていた。
|
▲目次へ戻る
16.歌姫「松原りか」登場
このページに記載されている、曲名は、「ZIP Love&Tender」の松岡里果ちゃんに著作権があります。
今日は、なんでも企画の仕事初日だ、初めての電話がかかってきた。
受付の、醍醐美香が電話を取ると、パーティのオードブルと酒等、飲食代の請求の電話だった。
みんながっかりしたが、しばらくすると本当に仕事の電話が入った。
葛西の女性からの電話だ。話の内容を要約するとこうだ。
猫が、家の壊れた壁に入り込み、外に出られなくなったようだ。
早速、怒痔名のチームが出向き、迅速な処理にあたった。猫は無事助け出され、事なきを得た。
猫のペットフードのコマーシャルの影響か、猫に関する調査依頼が殺到したが、怒痔名の動物的ともいえる勘で、つぎつぎと仕事をこなしていった。
「仕事は、猫や犬の捜索依頼や、救出、夫婦喧嘩の仲裁ばかりだな・・・・」
そんなある日のことだった。
松嶋姫乃のプロダクションから電話があり、相談したい事があるという。
電話の声の慌てようからすると、電話越しでも並々ならぬようすが感じられた。
やがて、マネージャーらしき男が事務所に現れた、30代前半くらいだろうか、痩せているが穏やかな感じの紳士的な男だった。
そして打ち合わせが始まった。
「実は、私は、松原りかのマネージャーをやっている、サン企画の行木義男というものです」
男は、怒痔名に名刺を差し出した。確かに名刺には、松原りかのマネージャーと書かれている。
「えっ、松原りかさんですか?あのヒット曲を連発している、歌手のりかさんですか?」
怒痔名は、興奮して行木に聞いた。
「有名歌手といえばyukiちゃんが、事務所開きに来てくれたけどりかさんも松嶋姫乃さんと同じ事務所だったんですか?そういえば、世紀末の愛でも姫乃さんの妹役で出ていましたね、りかさんに何かあったのですか?」
「今度、千葉マリンスタジアムで、コンサートを開くことになったのですが・・・・・りかのファンと名乗るストーカー風の男から再三にわたり、嫌がらせの電話がきているのです・・りかに合わせないと、コンサートを妨害すると・・」
「警察に電話はしたんですか?」
「それが、警察に何度言っても、事件が起こらないと対処してくれないのです。実際被害は出てないし熱烈はファンが思い余ってやったことだとしか受け取っていないのです・・・」
怒痔名は実際警視庁にいたので、警察の言い分は分かるが、捜査1課と違い事件前に何で協力できないのか疑問に思っていた。
これは、世間で起こったストーカーの事件をみればあきらかなことだ。
被害者が、警察に相談に行ったにもかかわらず、なんの対処もしてれなかったことにより被害が相次いだのだ。ストーカーに関する法律もできるにはできたが・・。
ストーカー行為等の規制等に関する法律とは・・・(第1条のみ列記)
公布:平成12年5月24日 法律第81号
(目的)
第1条 この法律は、ストーカー行為を処罰する等ストーカー行為等について必要な規制 を行うとともに、その相手方に対する援助の措置等を定めることにより、個人の身体、自由及び名誉に対する危害の発生を防止し、あわせて国民の生活の安全と平穏に資することを目的とする。
「松原りか」、1982年4月15日生まれの19歳(2001年6月現在)、18歳の時にシンガーソングライターとしてメジャーデビュー、17歳の時に、インディーズから、個人レーベルで出したCDがヒット。
一部ファンの間で、一躍有名になる。
大手レーベル数社から、誘いがあったが、松嶋姫乃の所属する、「サン企画」の社長がインディーズ時代から、りかの才能に着目し、コンタクトをとっていたことと、「サン企画」の特徴として、歌手でデビューしても、個人の才能を活かし、女優、TV番組の司会等、個人の意見も尊重してくれることで有名であったので、サン企画から簡単にデビューすることができた。
デビュー曲の、「With my love」は、70万枚のセールをし、2曲目の「Don't lay aside」は100万枚を超えるミリオンセラーとなった。
3曲目の「Only a little」も110万枚の連続ミリオンセラーを記録。
この時、同時進行していた「遠い記憶の中で・・・」という、アルバムも作成、インディーズ時代の曲も取り入れ、レコーディングは、空気の乾燥しているアメリカのカリフォルニアでおこなった。
なんで、みんなアメリカで録音するか、不思議な方もいると思うが、日本の湿気の多い季節に録音するといくら高価な機械を使用しても、アコースティックギターのような繊細な音を出す楽器には、不向きなのだ。
同じ条件で録音するなら湿気の少ないところで行いたいものである。
歌姫「松原りか」、彼女の歌声は、落ち込んだ若者に勇気を与え、目的を失った人たちに、希望のともし火を与える、彼女の歌を聴き、救われた人も多いと聞く アルバムは順調に製作され、発売数週間で、200万枚を超えるセールスを記録、デビューわずか数ヶ月での快挙となった。
しかもりかは、松嶋姫乃同様、美人なだけでなく、性格が極めてよく、誰にでも優しくできる人柄、影日向も無し、同姓からも好かれた。
これも彼女の両親のしっかりした教育と、りか本人のもって生まれた資質なのであろう。
並木は、怒痔名に向かって「怒痔名さん、ストーカーから、松原りかを守ってくれませんか。
別に、千葉マリンスタジアムのコンサートが中止になるのを恐れているのではありません。
うちの社長も、人命第一主義の方ですから、松原りかを最優先で守ってもらいたいのです。お願いします」
テーブルに頭をぶつけるくらいに、腰をおり怒痔名に頼むのだった。
「分かりました。全力を尽くしますので安心してください。・・・」
怒痔名の中に、久々に、忘れかけていた、警視庁捜査第1課時代の熱い思いが込み上げてくるのが自分でも分かった。
|
▲目次へ戻る
17.怪しい人物!
怒痔名は、並木から、りかのスケジュールを渡され今後の予定表をチェックし始めた。
コンサート会場に行くまでと、控え室に入っている時、自宅に帰ったからが危ないな・・ここは、僕だと目立つから、小原笑輔と橋爪純一に応援を頼もう。
まず、りかの自宅とプロダクションに盗聴器をつけてもらった。これは、橋爪の得意とするところだ。
念のため、警視庁捜査1課の十部川警部に相談したところ、ボルボ13をコンサートの当日は、派遣してくれることを約束してくれた。
しばらくは、ストーカーらしい男は現れなかったが、不信な人間が朝早く、りかの自宅(サン企画の芸能人寮)の周りをうろついているという情報が、小原から入った。
「所長、今僕は、りかちゃんの自宅の外にいるんですが、昨日の朝から、ジョギングスタイルの怪しい人間を、2〜3回目撃しました、こちらの正体がばれるとまずいので、僕はここで見張っていますが、橋爪君が、望遠で撮影した、画像をそちらに送りますのでみて下さい」
醍醐美香が、送られてきた画像をプリントアウトして、持ってきた。
「うむ!さずが橋爪だ、どのアングルも、素晴らしい、しかし、どう見てもこれは、女だな・・・」
ウィンドブレーカーにフードを着けているが、顔ははっきり分かる、まったく化粧気はないが、確かに女のようだった。
女の正体はすぐに分かった、怒痔名が警視庁を首になった、問題の割烹料理屋、「つぼや」の経営者、野々村サチエと結託し、悪事を働こうとした、瀬古井八代(せこいやつよ)だった。
瀬古井は、野々村と結託する前に、看護士仲間と悪事をし、医者や、他の看護士、出入りの業者らを脅し、金品を巻き上げていたのだ。
つぼやの、脱税問題でクローズアップされたため、看護士仲間の事件が発覚したのだ、この時、悪徳住職の本間雲谷斎もいたのだが、この男は、暴力団関係者と結託し、檀家から土地を騙し取ろうとしたことが発覚し、現在取り調べ中とのところだった。
瀬古井は、事件を他の看護士に押し付け、自分は被害者だと主張して仮釈放中の身であったのにもかかわらず、怪しい行動をしていたのだ。
小原が瀬古井の尾行をしている時、瀬古井が突然公衆電話ボックスに入って何処かに電話をしている。
小原は、双眼鏡を公衆電話の瀬古井に向け超高性能志向性マイクのスイッチをいれた。
「サン企画か、・・・・りかの・・・・2億円を用意しろ、・・・・警察・・・また連絡する。」
声は、途切れ途切れだが、電話の内容からすると、どうやらりかの事務所にかけているようだ。
逆探知を恐れ、1分くらいで切り上げたのだ。
「もしもし、マネージャーの並木さん?、なんでも企画の小原ですが、怪しげな女が、今そちらの事務所に、現金要求の電話をしませんでしたか?」
「ええ、今しがた、犯人の男か女かわかりませんが、変声期にかけたような声で、現金2億円の要求がありました。」
「やはり、そうでしたか・・・・、分かりました。それでは後ほど、失礼します」
小原は携帯を切るとすぐ、怒痔名に連絡をとった。
「所長、小原です、只今瀬古井を尾行中、公衆電話よりサン企画に、現金要求の電話をしたもようです。
志向性マイクで録音したので、完全には取れていませんが、サン企画に取り付けた、録音と照合すれば裏が取れると思います、僕は引き続き、瀬古井を尾行します」
「はやり、そうだったのか・・・ありがとう、小原君それでは、気を付けてたのむよ、橋爪君を合流させるから十分注意をするように・・」
後で、録音テープを照合すると、同一人物の犯行だあることが判明した。
現金2億円を用意しないと、コンサート会場で大変なことが起きることと、りかの命も保証しないという内容のものだった。
現金は全て使用済みの古紙幣を用意すること、受け渡し方法は、おって連絡を入れるということだった。
具体的な脅迫がされたことで、警視庁にも連絡を入れ、十部川警部のチームも動くことになった。
小原は、橋爪と合流し、瀬古井をさらに尾行した。
瀬古井は、西船橋の駅を降りると、中山競馬場方面に歩き出した、5分くらいすると、コーポ西船橋1号館という、2階建てのアパートの1階105号室に入っていった。
小原と橋爪は、電気会社のふりをして素早く、盗聴器を取り付けた。
離れたところで、受信機のスイッチを入れると、ちょうど瀬古井の声が聞こえてきた。
「雲ちゃん、八代だけど、うまくいっている?わたしのほうは、順調にいってるけど、あんたは警察にマークされているから、下手に動かないんでよね・・」
「八ちゃん、俺は大丈夫だけど、脅迫の電話はうまくいったの?コンサート会場に何か仕掛けるとか脅しても、実は何もなくてはったりだけんなんて分かったらおしまい だからね・・」
「ちょっと、雲ちゃん、誰が聞いているかも知れないから、余計なことを言わないでよ、まさかこの電話が盗聴されているわけないけど、万が一のことがあるから携帯に電話してよね、じゃあ切るわよ」
電話は、そこで途切れたが、小原と橋爪は顔を見合わせて笑った。
「橋爪さん、マークしやすくなったね」
「ほんと、笑っちゃうよね!}
瀬古井と本間は悪人だが、どちらかというと、詐欺師の傾向があり、騙して金をふんだくるタイプだったのだ。
そのころ、りかを密かに追いかけるストーか風の男が現れた、りかに会わせないと、コンサートを妨害するというのだ。どうやら、こちらが本命のようだ。
瀬古井と本間の件は、十部川警部にまかせよう。
「十部警部ですか、なんでも企画の怒痔名ですが、松原りかの事務所を脅して、現金2億円を要求している、容疑者が分かりましたので連絡を入れました・・」
「なんだと、例のボルボ13を貸して欲しいと、言った件か・・・それで、容疑者とは 誰なんだ?」
怒痔名は、今までの詳しい経緯を話した。
「分かった、早速手配しよう、それにしても頭は相変わらず切れるね、食い意地さえなければ、最高の刑事になったんだが・・・・・」十部川はため息をついた。
怒痔名のチームは、りかにストーかをしている男をマークすることに切り替えた。
男は、瀬古井と違いかなり頭もいいようであり、時々立ち止まりあたりを見回したり、わざと関係ない行動をして警戒していた。
しかし、橋爪は、変装の名人でもありなんとか、住まいのアパートを突き止めることができた。
男のアパートは、小岩の駅から歩いて、10分位のところにある、木造の2階建てアパートだ。
築10数年というところか、最近のアパートからすると大分古さを感じさせる。
男の部屋は、201号室だ、階段を上った最初の部屋である。
怪しまれると、いけないのでその場は素早く立ち去った。
その隣の202号室がたまたま空室になっていたため、アパートの横に貼ってある、管理会社に連絡をし、借り契約の手続き(部屋を確保し、内金を払う)をすばやくした。
コンサートまでに、もうわずか1ヶ月しかない。
引越し用の簡単な生活用具を取り揃えることになった。
りかのマネージャーの並木に相談すると、家具類は映画撮影用のものが余っているので借りることにした。
|
▲目次へ戻る
18.幻の女
橋爪がアパートに引っ越してきたのは、それから数日後のことであった。
荷物を運び込むと、手土産をもって各部屋へ挨拶にまわった。
このアパートは、全部で10世帯だ。1階が101号室から106号室で104号が欠番となっている。
2階も201号室から206号室で204が欠番となっていた。空いている部屋は202号室だけだった。
駅からも近いし、開いているのが不思議だったので1階に住む人のよさそうな中年の女性に聞いてみた。
「今日202号室に引越ししてきた橋爪といいますが、よろしくお願いします。ところでこの部屋いつから空いていたんですか?わりかし駅も近いのになぜですかね・・」
「そうなのよ、ねぇあんた・・あまり大きな声じゃ言えないんだけど・・・・」
中年の女性は、待っていましたとばかりに、大きな声で話しはじめた。
話を要約するとこうだ。
ここに住んでいた若い女性が突然いなくなったというのだ、アパートの住民の誰にも引っ越すことを告げず、突然姿をくらました。数日してから大家に現金書き留めが送られてきたという。
封筒を開けるとメモ書があり、「中の家具類は処分してください。処分費の10万円を入れておきますのでよろしくお願いします」と書いてあったそうだ。
家具類が置かれていてもしょうがないため処分はしたのだが、こんな世の中なので、何かあったのかと心配した人のいい大家は、契約書の女性の保証人、(その女性の親だが)電話は通じず、浦安市役所にその住所を問い合わせたところ、そこに実在しているのは、別人であることがわかった。
ただ、部屋代は毎月きちんと納められていたし、これといったトラブルもなかったため、大家はまったく気がつかなかったのだそうだ。
「そうだったんですか、ところで201号室の、人はまだ留守のようですけど、表札も出ていないしどんな人なんですかね?」橋爪は2階を見上げるようにおばさんに尋ねた。
「よく分からないんだけど、なにかフリーの私立探偵みたいなことをやっているらしいのよ、ただ時々うさんくさい人たちが出入りしているようだし、私たちも早く出て行って欲しいんだけどね・・・あっそうだ!202号室にいた若い女性、名前は“葛西あけみ”さんだったかしら、時々出入りしていたみたいよ」
「へえ〜そうですか、ところで201号室の人、名前は何ていうんですか?」
「たしか、平野とかいったわね、気持ち悪い人よね」
「平野さんね・・・」
「ところであんたは、何をしている人なの?」
「あっ、僕ですか、会社が倒産してしまって寮がなくなってしまったんです。今は失業中でフリーターです」
「そうなんだ、今の世の中不景気だしねえ、あんたも大変ね、頑張ってね」
中年の女性のおしゃべりはとどまることをしなかったので、橋爪は用事があることを女性に告げその場を離れ、部屋に戻ることにした。
「調査をはじめるとするか、まず盗聴器を取り付けよう」
橋爪は1度外に出かけて、電機業者に変装し、昼間の時間帯をみはらかって201号室の電話回線に盗聴器を仕掛けた。
次に、ユニットバスの天井点検口に入ってみると、201号室との仕切りが、開いていたのでその隙間から、電機配線の穴から、小型ファイバースコープを差込、気づかれないようにセットした。
「これで、201号室の様子は、録画することもできる、電話の盗聴は平野が私立探偵をしているから見破られるかもしれないな、それにこの部屋も謎の女が住んでいたし、 チェックをしないと・・・」
橋爪は、202号室を入念チェックした、盗聴器が仕掛けられているようすもなかった。
電波探知機で、調査したところ、テレビのアンテナ端子からノイズの発生がみられたが共同アンテナのBS端子の、電流が漏れていただけだった。
このアパートは大家の、趣味で各部屋にBSの受信機が設置されていることと、ADSLの回線も 引き込んであった。
橋爪は、ファイバースコープのカメラで201号室をチェックしたところ、パソコンが3台設置されていて有線LANではなく、無線LANを使用していることが分かった。
「ついているな・・無線LANだと、この部屋からデータを取ることも可能だ」
パソコンの機材を取りに行こうと、ドアを開けると、1階から誰か上ってくる気配がした。
どうやら、上がってきたのは201号室の平野のようだ。
急いで、手土産を取りに部屋に入り、急いで外に戻った。
ちょうど、平野が部屋にはいるところだった。
「すいません、202号室に引っ越してきた橋爪といいますが、よろしくお願いします」
平野は、迷惑そうに軽く頭を下げただけで部屋に入ろうとした。
「これ、使ってください」橋爪は石鹸の詰め合わせを平野に渡した。
「あっ悪いね、平野だけど。普段あまり部屋にいないよ、こういう仕事をしてるから何かあったら相談にのるよ。」平野はポケットから名刺を差し出した。
「すいません、僕会社が倒産して、フリーターやっていますが今はプーです。急いで仕事を探さないと」
頭をかきながら橋爪は笑った。
「そうなの、大変だね、じゃあね」平野は部屋の中に入っていった。
平野がくれた名刺をみると、フリーのジャーナリストと書いてあった。
名刺の後ろをみると、肩書きはジャーナリストだが、なんでも相談所とかあり、私立探偵みたいなことも確かにやっているようだ。
次の日、橋爪はパソコンを運び込みセットした。
無線LANの送信周波数も分かり、平野のメールとかデータ-とかネット経由で送られるデータはチェックできたが、別に不審なものはなかった、雑誌社に送る原稿や、写真のデータばかりで暗号とか使用しているデータもなかった。
平野の外での行動は小原が担当していたが、これも、別に怪しいところはなかった。
「いったい、どうしたことか・・平野は、りかのストーカーではないのか?」
そんな時だった。この202号室に住んでいたという“葛西あけみ”から転送メールが送られてきた。
おそらく何かの手違いで、平野が送ったデータ-を、あけみがうっかりした操作ミスで、平野に転送してしまったのだろう。
橋爪がデータを調べた結果、あけみがりかの行動を調査していたらしい、平野はあけみに依頼されて調査していただけだったのだ。
でも、アパートに入ったことも無駄ではなかった、橋爪の住んでいるアパートも数ヵ月後には建替えのため出なければならなかったのだ。
このアパートは環境もよいし、少し古いだけで橋爪はこのままここに住んでしまおうと本気で考えていた。
その頃、何気なくテレビに目をやると、臨時ニュースのテロップが流れていた。
「人気歌手『松原りか』への脅迫行為をしたとして容疑者が逮捕されました。まもなく記者会見がおこなわれるもようです」
ワイドショー担当者の司会者が慌しく原稿を読み始めた。
「只今入った情報いよりますと、人気歌手の『松原りか』本名、松原里果さん19歳のコンサート活動を妨害すると脅迫し、所属事務所のサン企画に2億円を要求、現金引渡し現場に現れた男女が緊急逮捕されたもようです。調べによりますと、容疑者の男は、本間雲谷斎(42歳)、女は、瀬古井八代(38歳)と判明、なお、本間は暴力団関係者と結託し檀家から土地を騙し取ろうとした件で現在裁判中であり、瀬古井も脱税問題で世間を騒がせた野々村さちエの私設秘書をております。警視庁も今後、ふたりを厳しく追及するもようです。・・・・」
テレビをみながら、橋爪は携帯を取り出し、怒痔名に連絡を入れた。
|
▲目次へ戻る
19.闘犬友の会(とうけんとものかい)
「もしもし社長ですか?橋爪です。今ニュースを見ていたら、本間雲谷斎と瀬古井八代が逮捕されたようですね。本当どじな奴らですね。こちらは葛西あけみの情報が取れました。もう少し様子をみます」
「悪いねぇ・・橋爪君もう少し頑張ってくれる・・でもどじなっていうなようなぁ。俺もどじなんだし」
「社長し・失礼しました。そういうつもりでは・・・・あっ、待ってください・・凄いスクープが入りました。また葛西あけみの操作ミスでレアな情報が入りました。社長、「闘犬友の会」の会長「村神一郎」って聞いたことあります?」
「村神一郎っていったら、超右翼の団体じゃなかった?闘犬愛好会とかいっているけど、実際は刀剣の闇取引や拳銃の密売、ホームページでは『性罰隊』とか『犬国義勇団(けんこくぎゆうだん)』とか主催しているひとじゃない。雑誌とかテレビで見たことあるけど、村神がどうかしたの」
「社長、大変です。どうやらこの『村神一郎』が葛西あけみのバックにいるようなのです。至急メールを送ります。」
「えっ!そんなスクープだったら、警視庁の十部川宗次(ドブガワソウジ)警部に連絡しなくていいかな?」
「社長・・まだ裏が取れていませんのでもう少し待ってください」
「よし分かった!では、至急メールの内容を転送してくれ」
葛西あけみ君
闘犬愛好会の村神だ。
どうなっているんだ。例の松原りかコンサートの妨害をよそおい、当愛好会に批判的なメディアを襲う計画は・・
今、都合の悪いことに、本間と瀬古井が捕まったようだ。奴らの仕業にしてあわよくば、お金も一緒に奪う手はずだったのに、いったい何をしているんだ。
グアム島で高いお金を払って射撃訓練したのが泡になるではないか。
新しいスタッフを紹介するから一度会ってくれ。
本間雲谷斎のライバルで、本間とは利権争いをしている『矢田啓介』という男だ。今は犬成神社の経営している。名前は『矢田萬谷斎』と名乗っている
雲谷斎の名前も萬谷斎の名前をまねしたと相当にもめているはずだ。
詳しいことは、俺の携帯に電話してくれ。
最後に一言、絶対に失敗するなよ。今俺は、外務省の役人宅に発砲したことや、新聞社、信用金庫に爆弾を仕掛けたことで警視庁から密かにマークされているという情報が入った。
くれぐれも慎重に頼む。
闘犬友の会会長 村神一郎
(URL)http://www.inugashira.co.jp/murakamiitiro/
(e-mail)touken_boss@inugasira.co.jp
|
|
▲目次へ戻る
20.
▲目次へ戻る
|